2007 年 5 月 26 日
「千の風になって」に寄せて
私たちが子どものころ(筆者は昭和30年生まれ)、ちょっとしたいたずらや小さな悪事を働くと、大人は直接叱るほどのことではなくても「おてんとうさま(お天道様)が見ているよ」と忠告されたものでした。
お天道様とは太陽のことです。人に隠れて誰も見ていないと思っても、必ず誰かが見ているから、決して悪事や不道徳なことをしてはいけないということです。その誰かの象徴としての太陽なわけです。これはある意味で絶対的な精神ということになるのでしょう。
「千の風になって」という歌が人々の心を打ちました。この歌の意味は、この世から一足早く旅立たれた方は、この世の私たちがその人を思う限り、いつも風となって身近にいるよ、というものです。
つまりいつも先祖はそばにいて、私たちは見られているのです。だから“がんばろう”でもいいし、“悪いことはするまい”でもいい、その何か大いなるものの前にあって謙虚になること“おかげで”ということこそが大切なのではないでしょうか。
常に自分以外の何かが自分を見ていると感じること、そのことに感謝をすること、それが良い人間関係の元、幸福の基本なのだと思います。
何らかの成功を得たときに、確かにそれは自分の努力ではあるけれど、お天道様が見ていてくれたからがんばれた、見ていてくれたからウソはつかなかったなど、人は自分への意識を感謝に変えることで、傲慢にならずに済むのだと思います。私たちは常に自分がコントロールできない大きな精神や道徳を意識し、それらに見られている、常にそれらとともにあるという考え方を持ちたいものです。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )