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ブログ

2007 年 7 月 12 日

身幅なりに生きる

身幅なり、という言葉があります。
例えば道を歩くとき、肩で風を切るような歩き方ではなく、自分の身の幅の最小限を使って歩く、他の人に迷惑をかけないように、というように礼儀作法の意味でつかわれることが多い言葉です。
必要最小限というと少しニュアンスが違ってしまいますが、無駄なことをしない、他人の領分に踏み込まない、自分を必要以上に誇示しない、必要以上の生活を求めない、など、現代に生きる考え方があるのではないかと思います。

 官僚の中には、省庁を退官後、いくつかの特殊法人を渡り歩き、退職後の職場の退職金だけで数億円を手にする人がいるといいます。「金を稼ぐことってそんなに悪いことですか?」などと開き直るファンドのマネージャーもいました。数億円の金を稼ぐためにその数倍の借金をし、その穴埋めのために詐欺事件に手を染めた弁護士もいました。
 このような話を聞くたびに、その金や地位や生活が、その人の幸せにとってどうしても必要なものか、と疑問を感じます。“身幅なりを超えたな”と思うわけです。
 確かにお金があることに越したことはないでしょう。確かに高い地位を得、多くのお金を動かし、大きな仕事をし、社会に良い影響を残したいと思うのでしょう。すばらしい人にはそれなりの身幅なりがあるものと思います。身幅は運命ではなく、努力によって変わる要素もあるのだと思います。
 しかし、それによって自分を失っていく人もいる。他人から距離を置かれる人もいるわけです。

 今のあなたの生活、身幅なりですか。もし、自分の身幅以上の立場やお金や生活があるとしたら、私たちはそれをお返ししましょう。他人への畏敬と感謝、努力をもって。
それが人の道、あなたの身幅の道なのでしょう。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )