2007 年 11 月 26 日
節約と貯蓄
わが国の最近の景気はよいのだという。経済状況を示す各種指標は好況とするものが多いようだ。
しかし、一方で労働者の給与所得は下がり、年収ベースで300万円に満たない人が多くなっているというデータもある。ガソリンもかつてないほどの高値になり、冬を向かえて灯油も値上がりが著しい。つい数年前には18リットルで600円台だったように思うが、今は1600円を越えるという。2倍以上だ。
こうなると、庶民は節約しなければならない。
しかし、「単に節約するだけではお金は貯まらない」と妻に指摘された。100円の商品を、バーゲンで90円で買ったとする。10円安く買ったので確かにトクだ。財布には100円で買うよりも10円多く残ることになる。このパターンを10日間続けると、100円の支出を抑制することができる。財布には100円が残ることになる。しかし、人間の欲望は際限がない。100円が残ればたいていの人は、それを何か別の消費に使ってしまう。結果として、90円で買うという10回の努力はお金を残さなかったことになる。つまり、単に節約するだけではお金は残りにくい。節約と貯蓄は違うのだ。
貯蓄によい方法は「つもり貯金」のようだ。
先の節約も、本来100円のものが90円で買えたのだから、その分をいつものように100円で買ったつもりで10円をどこかに貯金するのである。欲しいものがあったら、それを結果的に買うか買わないかは別にして、グッと我慢する回数を増やす。その結果残ったお金は、“買ったつもり”で貯蓄に回す。そうすることによって確実に貯蓄ができる。
確かに、お金というものは残ったら貯めよう、ということでは決して貯まらない。例えば給料をもらったら、先に一定額を貯蓄に回し、天引きしてもらわなければなかなか貯まらない。その上で、残りの中から生活をやりくりしていけばよいのである。
貯まったお金を何に使うか、お金を貯める目的は別の次元で考えるべきことでありここでは論じない。その目的がなければ人として不幸だと思う。ただ貯蓄することは手段であり、それを目的にしないことが大切なことはいうまでもない。
ちなみに筆者の誕生日は、貯蓄の日である。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )