2008 年 11 月 11 日
レシートお使いになりますか
コンビニエンスストアなどで買い物をしたとき、レジでお金を支払う際に「レシート、お使いになりますか」などと言われたことはないだろうか。こちらが「はい」と言うとレシートをくれるが、「いえ」と言うと、店員はレシートをゴミ箱に捨てるのだ。
それどころか、レジスターからレシートが出ているのに、それをくれない店も多い。ある店では、何も聞かないままにお釣りだけを無造作に渡し、私の目の前でレシートを握りつぶしゴミ箱に捨てた店員がいた。私が「レシートをいただけますか」と言うと、慌ててゴミ箱を探し、しわになったレシートを差し出した。
そもそも、レシートは客に渡すのが当然のものだろう。その上で、客が必要なければ自分で捨てるなり、「レシートは結構です」と言って受け取らなければよい。最近は、レジカウンターのところに、ご不要のレシートはここに捨ててください、という趣旨の小さな箱が用意されている店があるが、それはそれで理にかなっている気もする。しかし、それなりにしっかりした消費者の立場を取るならば、正しく計算されているかを確認し、自宅へ帰ってから処分するのが筋だと思うが、いかがだろうか。
レシートを渡さない、必要かどうか聞く、捨てる箱を用意する、そのような店が多いということは、それだけレシートの役割が小さいということか。現代ではポスシステムが当たり前だから、レシートを確認しなくても間違いなどないのが普通である。人が知恵を働かせ、自分で確かめる必要がないのだ。
「レシート、お使いになりますか」は、店員は親切に言ってくれているのだろう。これは、もらう、もらわないの問題からこちらの領分へ一歩踏み込んだもの言いだ。
しかし、私はこのことに強い違和感を持つ。レジの操作やお店のポスシステムに不審があるから調べるのか、この数百円のレシートを会社に提出してお金をもらおうとするか、これを何万枚も集めてギネスに登録しようか、何に使おうがこちらの勝手だろう。
レシートは黙って渡せ。さもなくば「レシートはご入用ですか」で十分だ。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )