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2009 年 1 月 22 日

大統領就任

 バラクオバマ氏がアメリカの大統領に就任した。
 激しい予備選を終え、結局、支持率は80%を超えて、今や国民的人気だそうだ。黒人初の大統領であること、金融危機の最中の就任であること、外交での閉塞感を抱えているアメリカの現状があることなどの背景もあると思うが、とてもかくても待望されての就任である。
 就任式、パレード、その後のセレモニーの模様がテレビで中継され、世界中の人々がそれを見た。日本では深夜だったので、私は就任式については翌朝のニュースで、就任式後のパレードは中継で、その後のパーティは昼のニュースで見た。
 大統領就任式場やパレードの沿道には、その瞬間に立会いたいと全米からワシントンに人が訪れ、その数は200万人を超えたということであった。テレビで見ても、就任式を行った会場に延々と続く緑地は、はるかに遠くのほうまで人、人、人で埋め尽くされていた。これほど多くの人が集まった光景は、私は初めて見た。テレビ報道では多くの人が感激、感動し、歓声を上げ、中には涙する人を映していた。

 100万人という数も想像を絶するが、アメリカという国の民のエネルギーはすごいと思った。何より、私はこの光景を見てうらやましいと思った。国の新しいリーダーの誕生を祝おうと人々がこれだけ集まり、熱狂的なエールを送るということは、その国の輝かしい未来を望み、信じてのことであろうと思うからである。さしあたっての自分の生活さえよければという気構えではなく、国家がよくなることを望んでいる様であった。
 翻ってわが国はどうだろう。国家のリーダーの就任という単純な見方であるなら雲泥の差だ。総理大臣が2代続いて突然の交代であった。この引き際については前のコラムで書いたのでここでとやかくは言わない。
 今の総理については誰もが短期リリーフと思っていた節がある。就任時の支持率こそ数字上はそれなりにあったが、わずか数ヶ月で歴代新記録にまで低下した現状は。本人の問題より我々の期待がもともとあいまいで、それほどのものでもなかったことに他ならない。

 政治に関心を、などとは言わないが、国の未来に関心を持とう。私たちの未来は、私たちの今に直接的なものではないかもしれない。しかし、子や孫の世代にすばらしい国であることを望むことだ。未来を考えることこそが、幸福なのではないだろうか。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )