2009 年 5 月 13 日
幸せの方程式
100年に1回のほどの経済危機という。
確かに、これまで事業成績のよかった企業、とりわけ機関的な産業といわれる多くの企業の決算見通しが軒並み大幅な減収、減益ということで、確かに景気が悪いのだと思う。
私がかつて勤務していた不動産会社は、今期大幅な赤字に陥り大手不動産会社の完全子会社に移行し、東京証券取引所の1部から上場廃止になった。さみしい限りである。
しかし、ゴールデンウィークの高速道路、観光地は人であふれ、アウトレットモールのブランドショップは、入場行列を作る盛況である。どこが不況なのか。
不況だからこそ、アウトレットで少しでも安く買うのだ、と解説する人もいるが、にわかに賛成できない。本当に不況で明日の生活に不安を感じていれば、アウトレットといえどもブランド品を買う必要もないだろう。
一方、朝のテレビ番組で「ほっとけない」と訴えている、母子家庭の現実はどうか。 あるケースでは、二人の子どもを持つ母親の例である。子どもの一人が身体障害者で24時間付ききりの介護が必要だという。したがって母親は働きに出られない。生活保護費の中からアパート代、子どもの介護費用、オムツ代、必要経費を支出すると、月に2~3万円ほどしか残らないのだという。
もう一人の中学生の娘には、例えば通学のスニーカーに穴が開いても、新しい物を買う980円が出せない。寒くても、光熱費がかかるのでストーブがたけない、テレビをつければ電気代がかかるので我慢する。ある日の夕飯のおかずは1匹の秋刀魚を工夫して3回に分け、それを親子で食べる。つまり6分の1だ。
不況だと憂いながら、渋滞の高速道路を使って、仕方なくアウトレットでブランド品を買う人がいる。家族の介護に当たり、我を抑えながらも思いやりをもって、人生を協力して生きる母と子がいる。
この国が大切にすべきものは何か。この項では、2兆5千万円を捨てた現政治を憂うのはよそう。ブランド品目当ての人も、協力して生きる母子家族も、ただただ、皆が幸せに生きることを願うばかりである。
少しでいいから、幸せとは何かを考えて欲しいことである。
幸せとは何か。
簡単な方程式で表すことができる。
幸福 = ( 現実 ÷ 欲望 ) + 夢 、である。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )