2010 年 7 月 6 日
レクリエーション
私はかつてレクリエーションについて学んだことがある。といっても、学生時代にレクリエーションリーダー研修を受け、ボランティア活動として、東京都の青年の家や大田区レクリエーション協会に関わったり、児童保育施設の臨時職員をしていたくらいのことだ。
レクリエーションというと、多くの人は集団で行うゲームやフォークダンスをイメージするのではないかと思う。あるいは、仕事を休んでゆっくりすることであり、レジャーやスポーツ、家族での旅行、時には飲み会などもレクリエーションのイメージだろうか。
それはそれで確かなことだろう。が、それらはある意味でリフレッシュ(Re-Fresh)だと思う。つまり日常を離れて、再び新鮮な気持ちを取り戻そうということだ。
私は50歳代になって、レクリエーションのイメージが少し変わってきた。
レクリエーションは、本来、Re-Createである。つまり再び自分を作り上げるという意味なのだ。リフレッシュとは少し違う。直接的にレジャーや休息を意味するものではない。正確にいえば、そのことによって自分を再び創り上げる、自分を変え、以前とは違った自分になるならば、あらゆることがレクリエーションといえるだろう。
私の場合、ここ数年の経験でいえば、休息をとることは必ずしもレクリエーションにならない。たまの休みに家でごろごろしていると、かえって疲れるのだ。
むしろ、休みの日には、たまっている仕事を片付け、家族から頼まれている多少面倒な部位の掃除をして身の回りをさっぱりさせ、スーパーのチラシを見てメニューを決め、買い物に出かけ、夕方には40分から1時間のジョギングをし、早めの風呂に入ってさっぱりして、イメージを湧かせて夕食の料理を作るなどすると、ごろごろしているよりよほどすっきりする。
普段から地方に講演に出かけて、たまの休みにそれだけ働くと疲れませんか、などと心配してくれる人もいる。もちろん無理に体を酷使している気はないが、少しくらい休むよりも、心も体も普段の仕事のペースを崩さないほうが、よほどレクリエーションになる。そのことで家族から感謝されれば、これもレクリエーションだ。
仕事でもそうだろう。仕事をこなすことで自分が成長することを実感できれば、立派なレクリエーションである。
たとえば、クレームへの対応は、誰もがあまりやりたくない業務のひとつだろう。かといって、どのような仕事でも現実にクレームはある。素直なお客さまばかりを期待し、そういうお客さまばかりと接客していれば、接客能力、クレーム対応能力は上がらない。素直なお客さまの対応なら、経験の希薄なアルバイト社員でもできる。難しいお客さま、ハードなクレームに対応できてこそ、プロの接客だろう。
かといって、難しいクレームに誰でも最初から適切に対応できるわけではない。例えば、お客さまから怒鳴られれば誰だっていい気持ちはしない。でも、そういう経験を何回もすれば、多少は落ち着いて対応できるというものだろう。接客の経験がその人の技術を磨くのである。そういう意味で考えれば、クレームへの対応という仕事も立派なレクリエーションである。
スキーやスノーボードだって、最初から急斜面を滑れるわけではない。一回ごとの経験が、やがてどのような場所でも滑ることができる自負になる。
仕事も、遊びも、睡眠も、あらゆる活動はレクリエーションである。仕事と遊び、休息を分けて考えるのはやめよう。苦しい仕事、難しい仕事もレクリエーションだ。それを乗り越えれば、その先には“そのレベルなら何とかなる”という自信ができる。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )