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2010 年 11 月 30 日

タバコの値段

 10月1日からタバコ税が引き上げられ、マイルドセブンなどの標準的なタバコの値段が300円から410円になった。これまでも20円、30円の幅で値上がりになることがあったが、今回は100円を越えるわけだから大幅な値上がりといえるだろう。これを機会に禁煙を決意した人も少なくないという。

 ニュースによると、喫煙者が肺がんになり死亡する人が年間13万人、本人が喫煙するわけではないのに周囲の人が吸って、その煙を吸わされる受動喫煙者でも7000人弱が肺がんで命を落とすというから。タバコをやめることはよいことである。嗜好品だからいいじゃないかという意見もあるが、嗜好品だからこそやめるべきなのである。

 しかし、禁煙を決意した人のおよそ20%が1ヶ月以内に、やめることをやめたというデータもある。これは禁煙とはいわない。休煙である。
 私の友人のO氏は1日2箱を吸っていたが、これを機会に禁煙を決意し、病院の禁煙外来を訪ねたという。ところが患者数が多く、空きが出るまで受診を待たされているのだという。彼はそれまでは吸うことにしたらしい。禁煙も理想どおりにはいかない。

 日本人の喫煙率は世界の先進国の中で格段に高い。
 日本では、そのタバコの値段が高いとか上げ幅が最高だとかいっているが、一般的なタバコの値段は、アメリカでは1000円前後、ヨーロッパでは600円から1000円、東南アジアのある国では1200円以上だという。世界的に見れば1箱410円はまだまだ安い。そもそも安すぎるのである。

 タバコの値段が安い背景には、葉タバコ農家の保護、一民間企業になったはずの日本たばこ産業の政治への発言力、つまりは族議員の存在があるのだろう。しかし、そういう意味では米を生産する農家はもっと大変なわけだし、葉タバコを栽培しても食料自給率には関係がない。政策を工夫して葉タバコの栽培から転作してもらえばよい。

 WHO(世界保健機構)は紙巻タバコを麻薬の一種として認定している。世界的には喫煙をすべきでないという世論が常識的になっている。
 私たちは100円~150円の価格のアップがどうのこうのではなく、基本的に現代社会に生きる人としてどのように生きるか、生活の中での喫煙することの位置づけがどうであるべきかを真剣に考えるべきである。
 1日1箱410円、月に約12000円の金をタバコに使うと、
年間約14万4000円である。
10年では144万円になる。
 これを自分のためでもいい、家族のためでもいい、子どものためでもいい、より文化的に、より幸福に寄与するように使う。そういう発想にならないだろうか。
 そのためにも、私はタバコ1箱を1000円以上にすることを提案したい。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )