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ブログ

2011 年 1 月 5 日

無意識のうちに形成されてきた自分への期待

 2011年が明けた。
 歳をとると1年が早く感じるということは、親をはじめ、人生の諸先輩から何度となく聞かされたが、この歳(55歳)にもなると、確かに実感する。若いときよりも、それだけ日々充実しているからだと信じたい。

 私は30歳から社会人教育研修の仕事に入ってから25年が過ぎた。40歳で自分の会社で独立し、事業を広げることよりも、同じ志を持つ人たちと楽しく、和気あいあいと、かつ人格を磨くことを念頭に活動してきた。新しい教育理論やシステムなどを考えず、人と人との結びつきこそが、人間の最大の幸せであり、価値であると考えてやってきた。教育産業などという言葉があるが、そもそも教育と産業とは結びつくはずのない概念ではないかという仮説を今も検証している。

 最近、周囲の人々が自分を見る目が変わってきたことを実感する。
55歳という年齢を重ねたこと。コミュニケーション教育の分野を25年間やって来たこと。その前に一部上場の不動産会社で、多くの人がしないであろう様々な経験をしてきたこと。最近は、クレーム対応について2つの雑誌に連載をしており、特に『ガバナンス誌』は好評で5年目に入ること。著作が30冊を超え、今も複数の執筆を依頼されていること。
 私生活では、結婚25年、幸せな家庭を維持してきたこと。夫としての立場、娘が22歳である親としての立場をもっていること。
 企業人として、小さい会社ではあるが組織の長として、親として、時には突っ張り、きれいごとも言った。確かにその時々で自分を高めたい、よく見せたいと思って虚勢を張ったこともあるが、すべてがここまでの生の積み重ねである。結果として今日がある。そうなっているだけのことだ。

 この人の目の変化を、無意識に形成されてきた自分への期待、とでもいうのだろうか。そのことを実感し、体全体で受け止めることができたら、なんと幸せなことだろうか。
 人は皆、無駄なものを持って生まれてはいない。その時々、その場その場で必ず、役割がある。役割とは“自分がこうしたい”ではなく、“こうあったら周囲の人のためになるだろう”とイマジネーションをはたらかせることである。

 今年も役割のためにがんばろう。そのことに充実した1年を送りたいものだ。
 今年も早く過ぎて、早く2012年が来ますように。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )