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2011 年 4 月 20 日

被災地を応援しよう その2 - 空き家(室)の活用

 東日本大震災から1ヶ月以上が経った。
 原子力発電所の問題を除けば、その関心時は避難者生活の問題に移りつつある。確かに、避難所といえばそのとおりだが、実質的には体育館。板張りの床に雑魚寝である。1ヶ月以上、これからもそこで暮らしている方々のことを思えば、とにかく今の状況から抜けたい気持ちがあって当然であろう。

 そこで、被災地では仮設住宅の建設を急ピッチで行っているという。しかし、その数は圧倒的に足りていない。建てるための土地が足りないのだそうだ。また、建築資材も不足しているという。4月上旬の報道によると完成したのは100戸程度。被災地の要望はさらに7万戸以上なのだそうだ。
 この状況では、仮設住宅の完成を待っていても、相当の時間がかかることは容易に推測できる。そこで、被災者の一部は、被害が比較的軽い周辺地域のアパートや貸家を探しており、賃貸物件を扱う不動産業者には問い合わせが多いという。これらの行動に出る方々は、さしあたっての貯えがある人、生業がある人だろう。

 それにしても、何故、政府の方針や自治体の要望は仮設住宅なのだろうか。
私の感覚だが、建築コストは2Kの間取りで1戸あたり300万円くらいはかかるだろう。新たな土地に建てるわけだから、仮設であっても上水道も下水道も電気も新たに引かねばならない。仮設住宅はあくまで仮設である。復興が進んでくればやがて不要になる。基準は2年。最大でも5年程度の使用が前提だ。最大限に使ってもいつかは解体することになる。

 そこで空き家(室)の活用を提案したい。
 平成20年の統計によると、わが国の世帯数は4997万世帯である。
 一方、住宅数は5758万戸ある。つまり、15%も住宅のほうが多い。単純に考えると家族の数よりも、住宅の数のほうが761万戸も多いのだ。これは世界の先進国でもダントツだ。1家族で2軒の家を持っている人もいるだろうし別荘もあるから、もちろんそれがすべて空いているわけではない。
 しかし、東京都内には60万戸以上の空き家(室)があるという別の統計もある。そのうち廃屋は33%といわれているというが、単純に考えても36万戸は利用可能だ。その多くは賃貸用で、入居者募集中というわけだ。東京都の統計をそのまま東北地方の被災地域に当てはめるわけにはいかないが、東北地方にも相当数の空き家、空き室、入居者募集の案件があるはずだ。
 その中には、2DKで5~6万円以下の家賃のものも、相当数あるのではないか。東京の都心ではそうはいかないだろうが、その他の地方都市なら、1室5~6万円の家賃は非常識な金額ではないだろう。むしろ安いくらいか。この際だから、空き家を持っているアパートの大家さんに多少のことは協力してもらって、2DKクラスで月に5~6万円の家賃で、さらに光熱費を含むといった特別統一価格で提供していただければ、年間72万円で住めるわけだ。5年間の家賃を全額国が負担しても、5年で360万円だ。入居者に1万円負担してもらえば、補助は300万円で済む計算だ。仮設住宅を5年間使うより効率がいいし、安く済む。だいいち、すぐに住める。
 学校の校庭に仮設住宅を建てているケースもあるが、これでは校庭が使えない。空き家利用なら教育への影響もでない。既成市街地の活性化にも役立つ。空き家に悩むアパートの大家さんも助かる。

 どうも、政府や自治体のやることの画一性に悩む。
 いろいろな手段を考えるべきだ。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )