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ブログ

2012 年 2 月 6 日

人生は運だ その3 - ウィッスラー断念

 平成24年2月8日水曜日から1週間、私は一人でカナダのウィッスラーに、スノーボードをしに行く予定だった。3日前、これをキャンセル。中止した。

 41歳からスノーボードを始めた。毎年冬を待ちわび、楽しいと思ってやっている。最近は、極端に急な斜面でもない限り、つまりゲレンデに黒い四角いマークが2つついている最上級者コースでもないなら、不恰好ながらもどうにか降りてくる。圧雪された平坦なゲレンデなら、それなりに滑れる。そんな自信がついていた。そこで、世界的に有名なスキーリゾートであるウィッスラーで滑ってみたいと思っていたのだ。
 今の仕事を初めて26年目、独立して会社を持って17年目。いろいろなことがあったと感慨がある。このブログの他の項でも書いたが、ひとつの区切りである56歳は私にとって特別な年齢である。体力のあるうちにと思い、2年前の秋からこの1週間に仕事を入れないように計画したのだった。今年は、ボードも靴もウェアも新しくした。費用も払い込んで、幾ばくかの円をカナダドルに換え、あと3日での断念だった。

 先週、北海道に仕事で行っていた。木曜日、朝、札幌のホテルでうがいをした。少しむせて咳をした、その瞬間左腰から下へ痛みが走った。俗にいう“ぎっくり腰”だ。その時は、そのまま仕事に出かけて講義したが、昼ごろから腰痛が激しくなり、研修終了後、病院へ行った。初めての経験だった。
 鋭い痛みは、2日で和らいだ。ぎっくり腰としては軽い症状だったが、鈍い痛みと局所的な疲労感が今も残っている。同じ姿勢で座っていることもつらい。今回の旅の目的が観光なら行ったと思うが、目的はスノーボード。体のコンディションに満足がいかないと、思い切り滑れない。おもしろくはないだろう。というわけで、キャンセルしたのだった。

 なぜ、このタイミングでぎっくり腰なのか。がっかりした。この数日、気が抜けた感がある。しかし、一方でそのことを憂いてはいない自分がいる。むしろ運が良かったと思えるのだ。人生は運だ。どうしようもないことは、運が良いと思うほうが良い。
ウィッスラーへ行く前は、日曜から徳島へ2泊する予定、月曜日、火曜日と連日の研修である。水曜日からウィッスラー。帰ったら茨城へ出張。土日は出勤、原稿書き、休みはない。とにかく、連日の講義、講演である。
 他人は私のことをハードスケジュールだという。自分の働き方、忙しさの概念については考えもある。今回の件は、きっとこれは神様が、おまえは休んだほうが良いと思し召されたのかと思うことにした。ここは、あえて休んで他にもやることがあるだろうと。

 また、このぎっくり腰はあのタイミングでよかった。あと3日後へずれていたら、ツアーのキャンセル料は50%であった。私の今回のキャンセル料は20%だ。
 カナダドルに換えた現金も、そのまま持つことにした。いつか、また行きたいと思う証にするためだ。いつか、もう一度ウィッスラーに行きたい。新婚のときにカナダを旅したから、妻も連れて行きたい。次回は、もっと期待と、夢を感じるのではないか。今回の断念は何と夢を膨らませてくれることか。

 ウィッスラーを断念した、この1週間は少なくともスポーツはできない。休養のためにつかうしかない。しかし、ムダにはしない。映画を見ることにした。箱根にも行くことにした。温泉に入ってうまい飯でも食おう。他にも溜まっている原稿にめどを付けるか。
 いずれにしても、何もしないわけではない。これが自分の流儀だと思う。運のいい1週間である。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )