2012 年 11 月 29 日
クリスマスパーティ - 一番幸せなイベント
私は、コミュニケーション教育コンサルタントとして独立、今年で18年目になる。
そもそも独立することができて、今日までやって来られたのは、日々勤務してくれる社員、実際に研修先に出向いてくれる講師の方々の協力があればこそのことである。
そこで、独立当初から、社員や講師の方々に対して、自分が何をしてあげられるかを考えた。高い給料を出せれば、それはそれでいいことだが、それはその時々の環境に左右される。また、そのことだけを目的に当社に関わってくる人はいてほしくない。
所詮、人はいつかは離れていく存在だ。私の命も無限ではない。そこで、他の会社ではできないことをしようと考えた。アイベック・ビジネス教育研究所と関わっていなかったら、こんなことはしていなかっただろうという経験をお互いにすることだ。
その一つが、忘年会をしないことである。当時と今とでは感覚が違うが、当時は年末になると職場の一同が大きな部屋で和食を囲んで忘年会を開く、企業にはそういったイメージがあった。私も社会に出てから何度も経験した。それはそれで楽しいものだ。しかし、それはどこの会社でもある。
忘年会はしないことに決め、クリスマスパーティにした。会場は銀座。フレンチレストランを貸し切りで利用することにこだわった。すでに閉店したお店もあるが、シェ・モア、オストラル、ラ・ハロ、キハチ、リンタロー、エスコフィエ、マノアール・ダスティン、ワインハウスなど、どれも一流のお店である。一人で数万円もかかるような超高級店は、人生の最後にと保留している。
社員、家族、友人、気の合う取引先の方もお誘いしてフルコースディナーを楽しむ。社員だけ、という垣根を取り払うことも普通の会社ではないだろう。毎年、地方からの友人、知人もお呼びする。去年は、札幌から同業のUさんを。今年は、去年の地震の時に私を仙台から車に乗せてくれ、お礼に伺った時に私にこの上ない感動を与えてくれた、鶴岡市のAさんをご招待した。
食事のあとはコンサートである。皆で、生の音楽を聞く。しかもフォルクローレにこだわった。これもあまりない企画だろう。
フォルクローレは南米独特の音楽である。いわば民謡。かつてサイモン&ガーファンクルがヒットさせた「コンドルは飛んで行く」はフォルクローレの名曲である。「カミニート」なども好きな曲の一つだ。しみじみとしていてなかなかいい。
学生時代にこれを聞く機会があり、心に秘めていた。32~3歳の頃だったか、大先輩のM先生が鎌倉でたまたま出会ったデュオ、ペペ&カルメンのお2人を紹介してくれた。日本にもフォルクローレを演奏している歌手がいることに感激した。このお2人は実際に南米にも行かれて、現地の音楽祭にも参加されているという。私は初めて演奏をお聞きしたとき、この方の誠実な人柄とその声に惹かれた。
コンサートはこのお二人にお願いすることにした。この方はもともとクラッシックギタリストであり、何年か後に音楽事務所を経営されるようになり、ダンス音楽なども手がけられたが、今もフォルクローレも続けられている。
自分の憧れもあって始めた、そのクリスマスパーティも今年で18回目を迎える。銀座、高級レストラン、生演奏のコンサート、これは一人ではできないのであって、気のあった仲間がいてくれればこそである。
一年中、あちこちへ旅しながら、連日の研修、講演をしている身にとって、一年の快い疲れを、このコンサートが慰めてくれる。社員も講師もお客さまも、こんなことは他ではできないと喜んでくれる。
私の、一年で最も幸せなイベントである。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )