2013 年 12 月 9 日
東京湾クルーズ - 楽しみ自分流
昨年から、東京湾でクルージングを始めた。観光船ではない。自分で操船するモーターボートである。ヤマハシースタイルの会員になり、全国のマリーナでレンタルボートを借りられるようになった。主に東京港、横浜港周辺を航行している。
子どものころから加山雄三氏のファンだ。氏に憧れて50年近くになる。加山さんといえば「光進丸」船のイメージである。就職した翌年、会社帰りにヤマハボート免許教室に通い、4級小型船舶操縦士の海技免状を取得した。今は制度の変更により、小型船舶操縦免許証2級である。
免許は取ったが、ボートがない。レンタルボートを貸りるためにヤマハマリーナ浜名湖まで行った。値段も高かった。それでも、家内の実家に帰る途中などで浜名湖へ立ち寄ったり、社員とともにわざわざ浜名湖まで行ったりして、当時10回以上は乗った。
海の上は、道があるわけでもない。対向する船があれば、右に避けるくらいのもの。もちろん細かい法規や航行上のマナーはあるが、海には信号がない。開放感に浸れる。ストレス解消になる。ボートを借りる方の多くは、海に出て釣りをするのだが、私にはそういう趣味はない。ひたすらクルージングである。
もっとも、ボートは風や潮流の影響を受けやすく、タイヤが接地している自動車と違い、ハンドルが真直ぐでもその方向に進むとは限らない。エンジンを止めれば流されて行く。狭い航路や、離岸、着岸は相当な技術を要する。岸壁などに当てたら大変だ。そこは結構気を使って技量の向上をめざしている。
東京湾レインボーブリッジやゲートブリッジをくぐったり、羽田空港沖へ出ていつもと違う角度で飛行機を見たりする。川を上れば、隅田川から東京スカイツリーとか、京浜運河と並行して走るモノレールとか、お台場を海側から見るとか、海側からの景色は、普段あまり見ることがない。なかなか爽快だ。隅田川をはじめ、川の土手には桜がある。春は花見にちょうどいい。
気が付いてみると、東京、横浜には結構な川や運河がある。
日本橋の下を流れる日本橋川は、もとは江戸城に物資を運ぶために造られた運河である。ここを上ると常盤橋、日本橋、鎌倉橋など、都会にある橋をくぐり、下から眺めることができる。お茶の水駅の脇を流れる神田川を通れば、聖橋や中央線下のレンガ造りの橋げたも違った角度で見ることができる。私は歴史に詳しくないが、川には当時の石積みが残されていたり、河岸(かし)の跡があったりと、それなりのワンダークルーズである。
徳川家康が造らせたという小名木川は旧中川から隅田川への直線の運河で、今はこの一帯が海抜0メートル以下。そこへ入るには、荒川ロックゲートを通る。荒川からゲートに入ると、後方の水門が閉じる。ゲート内の水位が2~3メートル下がり、前方の水門が開くと先は旧中川だ。帰りは反対に水位があがる。パナマ運河と同じ、閘門である。国土交通省が運営しているらしいのだが、通行は無料。そういうのがあるのか、と驚きの実感。
私の性分か、一人で乗っていてもそれなりに楽しいのだが、これに社員や友人を誘う。皆、普段とは違った東京の景色を喜んでくれる。めったにできない体験だろうと思う。遊覧船に乗るのとは、また違ったイメージではないか。21フィートの小さいボートであるから小回りも利く。何より、セキネが操船するのだから不信感もスリルもあるだろう。
夏には、横浜に住む親戚を誘って、横浜ベイブリッジから山下公園沖へ出た。みなと未来地区の中海に停泊して大観覧車や日本丸を海から眺めながら、お弁当でランチした。環境が変わることで、単なるお弁当でのランチなのだが、楽しいと思った。海はいい。
遊びのためにガソリンを使うのは申し訳ないが、なるべく小さなエンジンのボートを借り、省エネ操縦に努めながらストレス解消。90馬力のエンジンでも、時速40キロほどは出る。
楽しみ自分流。しばらくはこれで行こうと思う。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )