2014 年 8 月 5 日
老いるショック その3 - 結局神経痛?
その後の五十肩。
雑誌の連載のための視察、ネタ探しも兼ねて、女性の先生の鍼灸院には4回ほど行ってみた。治療費は1回5400円。効果は徐々に感じているが、この際、もう一か所体験してみようと思い、今度は先生が男性で、歴史のある鍼灸院を条件に、出版社に紹介してもらった。五反田駅そばのマンションの一室で開業している男の先生だ。
お歳は70歳代かと思う。肌はつやつやして、小柄で、温和な印象。この業界では実績のある方らしく、各種団体の役員を歴任し、壁には旭日○○章という叙勲の大きな賞状がかかっている。鍼灸の施術師で文化勲章をもらうほどなのだから、相当な大物の先生らしい。
鍼灸の研修中らしい事務員さんの他に、常に若いスタッフが4人ほどいて、先生の施術をじっと見ている。こちらも研修生だそうで、全国からこの先生の施術を見るために無給で来ているのだと、その中の一人の女性が言っていた。その人は岐阜から来ているという。
2回通ってみた。先生は「どこが痛い?」と聞かれ、「よし」と自信満々に、その部分に鍼を打つ。ここの1回の治療費は1回7000円であったが、正直のところ、前に紹介した女性の先生の治療院のほうが、私としては満足度が高かった。先生が若い女性であるからではないぞ。いや、それもあるかもしれないけど‥‥‥。何よりも「痛いのはつらいですよね」「この部分の筋肉が硬くなっていますね」「2カ月くらいを目途に治していきましょう」などと、施術を受けている間に会話が成立しているからだ。
結局2か所、計6回の鍼治療で、幾ばくかの効果はあった(気がする)。右のしびれは時折出るものの、痛みは軽減し、一時よりはかなりいい。左も、着替えや、車のバック時の姿勢もそれほどつらくないようになった。
と、思ったら、今度は首が痛くなった。
7月2日に、岡山のホテルで、ベッドに寝ながらテレビを見ていた。枕を2つ重ねて高くして寝ていたら、首が痛くなった。その後、枕を1つにして就寝。朝起きたら、まだ首が痛い。俗にいうところの寝違いと思ったが、傷みは引かず、2日目くらいから首の痛みに加え、頭痛、微熱がでた。この時点でも首の痛みは寝違いと思っていた。
頭痛と発熱を訴え、医者に行った。抗生剤とロキソニンを処方され、服用したが、症状は改善しない。明らかにおかしい。
3月に手術をした整形外科へ行った。髄膜炎を疑われて、レントゲン、MRI、血液検査をされた。結果はもちろん、そうではなく、中性脂肪のやや多さを指摘された。(20年前から、分かっているわい!)
あれから、1カ月。首の筋、顎の奥、耳の奥、瞼を押さえるとその裏、頭の痛み、微熱、ロキソニンを服用している5~6時間はしのげるが、薬効が切れると痛みだす。この原因は何か、どうすれば治るのか、医者ははっきりしたことを言わない。薬も何種類か変えている。今は、副作用のあるステロイド系の薬だ。多少は良くなっている気もするが、首のあたりの鈍い痛みと、軽い頭痛は続いている。
五十肩から始まり、腕の痛み、手のしびれ、首の痛み、治らない頭痛。私には人生で初めての経験である。そんな話を人にすると「実は自分も‥‥‥」という人が意外に多い。「1年半くらい悩んで、何もせずとも不思議に消えた」とか、「運動をするようになったら、よくなった」とか、「今は何ともない」とか。
同じ経験者の存在を知ると安心する。まだまだ、自分もこれからだ。焦らず、しばらく付き合うことにするかと、あきらめもつく。
そういえば、最近「神経痛」と言う病名を聞かない。私が子どもの頃は、お年寄りは多くの人が「神経痛」を語っていた。そうか、原因がよく分からない痛み、これは「神経痛」なのだと密かに思う。とすれば、私もお年寄りか?
老いるショックである。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )