2015 年 4 月 5 日
ニュージーランド その2 - 広大さを実感
世界遺産のミルフォードサウンドも、ワカティプ湖と同じで元々はフィヨルド、タスマン海からの狭い入江になっている。両脇には1000メートルもある山の崖、水深は数百メートルという。なかなかの地形で迫力がある。入江の奥に桟橋があり、そこからタスマン海への出口まで往復する、概ね100分の観光である。複数の会社が観光船を出している。
今回行ったのは3月だから、南半球は夏の終わり、日本でいうところの初秋だ。山の高みには氷河が残っているが、雪は少ない。できれば、冬か初春で氷河が厚く、雪が多く残っている時期のほうが景色に一層の迫力がある。ガイドブックにある写真はそういう時期の写真だと思われる。今の季節は、やや迫力不足で残念だった。
クイーンズタウンからここへ行くツアーバスは、途中休憩、写真スポットでの停車も含めて所要が約5時間半。朝7時に出て12時半に着く。帰りは、写真スポットの停車がないが、それでも休憩を含めて4時間半。途中に町は1か所。3000人ほどの人が住んでいるらしく、実にのどか。その他は、ほぼ羊の牧場と原野だ。人はいないし、車もあまり通らない。道路は整備されている。高速自動車道ではないが、制限は最高100キロ。渋滞も信号もないので、徐行区間も含めて、平均的には毎時80キロで走っているのではないか。いずれにしても、移動だけで往復10時間は長い。それだけ広いということか。
ニュージーランドは、大きく北島と南島からなっており、広さは本州と九州を合わせたほどの面積であるから日本より少し狭い。そこに、440万人が住んでいるという。人口密度はすこぶる小さい。しかも、北島に340万人だという、ということは、広い南島には100万人。実に広いというか、人が少ないことを実感。
このツアーは日本人が多かったが、一般のものだったので、インド人や中国人もかなり入っていて、景色など反応するポイントが異なるのが面白かった。せっかく来たのだからと、私は概ね目を開けて長い移動を通して広いニュージーランドを実感していたつもりだが、周りの観光客は、特に帰りはほとんどの人が爆睡していた。
マウントクックも世界遺産である。
山自体は、富士山とほぼ同じ高さだ。しかし、こちらは岩。しかも、上のほうは氷河だから、素人が登れる山ではない。
このベースとなるのがハーミテージという村で、人口は100人ほど。加えて観光シーズンには、ホテル関係者が100人ほど住んでいるという。この村にも小学校があるというが、隣の町まで100キロほどあれば小学校も必要か。
村には、村と同名の名門ホテルがある。1953年に世界で最初にエベレスト登頂に成功したエドモンドヒラリー卿が、この山で練習したということで、ホテル前には彼の銅像が立っている。彼はこの国のヒーローであり、5ドル札のデザインにもなっている。
マウントクックは無理だが、周囲には1000メートル超えの山が連なり、いくつものトレッキングコースがある。重装備が必要なものから初心者コースまで。周囲の欧米系の観光客は、ほぼ全員がトレッキングの装備で出かけていく。
今回はそこに1泊し、そこをベースにハイキングに出た。地図には、初心者コース、片道2時間とあったが。こちらは、途中休憩も含めて2時間半をかけ、マウントクックの氷河の近くまで行った。ということは、帰る時間も必要だから4時間越えだ。途中で引き返す手もあったのだが、ここは貧乏性の習いで、ひととおり行かないと気が済まない。
日本の観光地で初心者コースといえば、30分程度のものも多いが、さすがニュージーランドだ。ガイドブックには、普通の靴で大丈夫とあったので、トレッキングシューズを持って行かなかったのだが、歩きにくいやら、足に余計な負担がかかるやらで、これは反省。
ホテルのある場所とは少しずれるが、飛行機で氷河の上に着陸で来るとか、ゴムボートで氷河湖に繰り出し、間近に氷の塊を見られるとか、ツアーに参加するともっと楽しめるらしい。
1969年の映画「ニュージーランド若大将」では、田沼雄一(加山雄三)が、青大将(田中邦衛)に連れ出された恋人の節子(酒井和歌子)を、オークランドから飛行機乗り継ぎで助けに行ったのが、このマウントクックの氷河の上だ。氷河の上で二人がスキーをするのがラストシーンだが、それができるかどうかは不明。できても、相当な技術がないと無理だろう。今回の旅行では、加山さんのロケ地には行けなかった。残念。
ミルフォードサウンドとマウントクック、皆さんもぜひ行って見てほしい、ニュージーランドの広さを実感できる。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )