2015 年 4 月 23 日
ニュージーランド その3 - 意外に美味いワイン
クイーンズタウンは、緯度が日本の稚内に近いという。南半球だから南緯だが、そういう意味では寒いのだ。ブドウが栽培できる南限だそうで、それでも土が適しているので、最近はワインの銘醸地として売り出している。現にニュージーランドワインは、ここ数年世界各地のワインコンクールで金賞を得ているのだという。栽培しているブドウは、主に赤のピノ・ノアールと白のソービニオン・ブランだという。
私はワインに詳しくはないが、好きである。家での晩酌はワインが多い。現地でのレストランでの食事でも毎日飲んでいた。
街中にワインを試飲できる店があったのでいろいろ試してみた。クレジットカードをデポジットとして預け、店内カードをもらってワインディスペンダーのところに行く。それは生産地別、赤白別、ぶどう別に壁に設置されていて、その数は数百種類。カードをリーダーに通し、注ぎ口にグラスを置き、フル、ハーフ、テイスティングの3種のどれかのボタンを押すとその量のワインが出る。そこにいた日本人のご夫婦と少しだけのワイン談義をし、家内と子どもがクッキーやお菓子の店に行っている間に、小一時間ほど飲んでいた。ワインに合う料理もあるが、その後の食事のことを考えて、ワインだけを1杯飲んではグラスを水で濯ぎ、次々と飲んでいたら結構酔った。
値段はワインの種類と量によって違う。高価なものは少量のテイスティングでも1杯1000円を超える。その料金がカードに記録されて最後に支払う。いろいろ飲めるので楽しい。気に入ったらボトルで購入すればよい。3本以上なら自宅へ直接送れる。通関手続きもやってくれる。
こういった店は、日本にもあるのかもしれない。私はたまたま観光の途中で入ったわけだが、面白い経験だった。
どちらかというと、赤はボディのしっかりしたカベルネやメルロー系が好きな私には、ピノ・ノアールは重さがやや物足りないが、味がまろやかで総じて美味い。白のソービニオン・ブランは酸味が残る。やはりシャルドネのしっかりした味わいがいい。
私にとってニュージーランドのイメージは、オーストラリアに近いものがあったが、意外に文化も風習も違う。ワインもこちらの方が繊細な味わいを感じる。
ピノ・ノアールの赤は確かに美味しいが、価格が私の感覚より30~50%ほど高い。ケチな私としては、ピノ・ノアールのワインが、1本50~120ドルは贅沢。家庭で飲むには抵抗がある。しかし、せっかくだから1本買いたい。結局その店では買わずに、スーパーで地元の名門ワイナリー「ギブストン・バレー」のセカンド、いやサードだと思うが「ゴールドリバー」といういかにもお土産っぽい名前トラベルの、それでも30ドルのものを1本買って自分への思い出にした。まだ、飲んでいない。
クイーンズタウンから北上して移動する日の、出発地の最低気温は1度、最高予想が14度ほど。一方、オークランドのある北島は、本州ほどの緯度だ。オークランドは、最低が8度、最高が20度を超えるくらいだから、まさに春先に稚内から東京へ移動する感覚だ。
オークランドはニュージーランド最大の都市。かつては首都がおかれていた。人口が140万人くらいといっていたから、それなりににぎやかだ。街中は携帯電話店、ユニクロのような若者向けのファストファッションを扱う店、食べ物屋などにぎやかだ。金融関係のビルはひときわ高く立派。港には、対岸の町へのフェリー乗り場に人が集まり、すぐ脇には豪華客船も2隻停泊していた。ヨットハーバーも充実しており、膨大な数のクルーザーが泊まっていた。ほとんどが個人の持ち物だという。レジャーやレクリェーションが、一般化していることを感じる。
ここの街中でも「ニュージーランドの若大将」で日産自動車の新車披露パレードが行われた。それがどこかは分からないし、そもそも40年以上前の映画だから時代が違うが、映画の背景にあったダウンタウンのアーケードの雰囲気には面影が感じられたことが嬉しかった。
今回、久々の海外旅行であったが、旅行の意味は脱日常。リフレッシュになった。海外旅行は手続きも多く、面倒といえばそのとおり。現地まで11時間以上の飛行機は疲れるが、行ってみれば楽しい。こういうのも習慣かなと思う。体が丈夫なうちにまた行くか。慣れればどうということはない。
「無理をしなければ、体は衰えるだけだ」三浦雄一郎氏が雑誌に語っていた。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )