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2016 年 12 月 14 日

久々にアニメ映画を見ました ー 君の名は

 私は映画マニアではない。人並みかとは思うが、年間10本を目安に見ることにしている。十数年前に淀川長春氏の言葉を直に聞いてから、自分の人生にもりそうな映画、事実に基づいて作られた映画を中心にしている。アニメ映画はあまり見ない。アニメの世界だから現実離れし、論旨が飛躍していることが多く、自分の人生にありそうもないからだ。が、先日、久々にアニメ映画を見た。巷の評判がいいので、まあいいや見ておくか、くらいのノリである。
「君の名は」
 このタイトルには、私の代は古さを感じる。リアルタイムではないが、数寄屋橋のたもとで男女が別れるシーンが目に浮かぶのである。が、それとは違う。
 事前のテレビ等の論調で多少のことは知ってはいた。まったく別の地域に住む高校生の男女が、夢の中で入れ替わってしまうストーリーだと。そんなことがあるはずはない、とバカにしていた。

 とある日曜日。館内は満席。カップルも多いが、女性同士のグループも多かった。熟年のご夫婦も。少なくとも壮年(老人)の男一人は私だけ。
 結論。見てよかった。前半はあり得ないストーリーだが、後半で夢の中で入れ替わった二人は、ラストシーンで現実の世界で出会う。夢のことはすぐに忘れてしまうので、なぜその人が気になるのかの理由も名前も思い出せない。それでも、どこか気になる人に、夢の中でも、現実の中でも「君の名は」と問いかける。
 この映画は、すでに興行収入200億円を超え、海外でも話題になっているという。
 先日のNHKのクローズアップ現代でも、この映画を取り上げていた。番組では特に60歳代の人にインタビューをしていたが、亡くなったご主人を思い出し涙する人や、一人で鑑賞に来た男性が妻のことを思って涙するシーンが印象的だった。

 私も妻と出会って、お互いが気になる存在になって、交際期間を経て、結婚し、家庭を持ったわけだが、もしかしたらずっと昔に夢の中で出会っていたのかもしれない。夢のことだから、それを忘れてしまっていて、それがある時、現実の中で気になる存在となったのだろうか。

 結婚するカップルは、もともと赤い糸で結ばれていた、という古くからの言い伝えがあるが、映画の中では女子高生が住む村の伝統的な工芸品、組み紐として登場しそれを暗示している。登場する場面や景色も現実の場所、新宿、渋谷、中央線沿線、岐阜県飛騨地方が再現されており、空想の世界と現実の街が微妙に行き来する。これもこのアニメの魅力だろうか。
 たまには、アニメ映画もいいものだ。

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代表

関根健夫( 昭和30年生 )