2018 年 2 月 9 日
宮古島に行って来ました - おおらかな人の島
先日、仕事で宮古島に行ってきた。宮古島市の研修、仕事である。
前日午前に羽田を出て、夕方現地に着いて1泊し、当日9時から17時まで講師をして17時40分発の飛行機で宮古島を出る行程。観光する暇はない。私は仕事では47都道府県のすべてで講演、研修をしたことがあるが、沖縄県は那覇までで、その先は初めてである。沖縄は本州とは文化が多少違うので、いつも幾分かワクワクする。地図で見ると、宮古島は台湾の首都台北より緯度が南である。南の島はどのような地だろうか。
結論からいうと、まったく違和感のない静かな島であった。街の中心部の繁華街には、いくつかの地元系のホテルがあり、飲食店もひしめくように軒を連ねるとはいかないが、商店に交じって多数ある。インターネットで調べてその中の一つを予約してみたが、18時30分開店のはずが、20時に来てください、と。指定の時刻に行ってみると店内はほぼ満席、地元客が中心のようで、出張客はあまりいない。地元の人気店のようで、そういう意味では当たり。と思ったら、後から聞いた話では、島の人たちは夜に飲みに行くのが文化、習慣のようで、観光客向けの居酒屋は別として、島内には地元客相手の飲食店が点在していて毎日の盛況だという。店の満席は普通らしい。
島を訪れる人の多くはリゾートが目当てで、宮古島はダイビングのメッカだという。サンゴ礁が隆起してできたこの島には山がない。したがって、うっそうとした緑の森などもない。確かに飛行機から見ると、ほぼ一面がサトウキビの畑という感じだ。雨の多くは地面にしみこむ。大きな川がないから、地表の水が海に流れ込まない。だから島の周囲のサンゴ礁の海は透明度が高くきれいなのだという。また、白い砂のビーチも世界有数のものだとも。事実、観光用のパンフレットにもリゾートホテルの紹介やダイビング、シュノーケリング、グラスボート、マリンジェットなど、マリンアクティビティの宣伝がページの多くを占めている。
港、空港、市役所の建物、研修会場になったドーム型のスポーツ施設、どれも立派だ。沖縄と北海道はその傾向が顕著だ。地域振興のための国の予算が相当に入っているのだろう。港にはクルーズ客船が、年間200隻以上も立ち寄るという。しかし、島内に主だった観光スポットがないので、停泊しても乗客は下船してあまり活動せず、一時は爆買いも見られたものの、今ではコンビニエンスストアなどで買い物をするくらいらしい。その多くは中国系の船で、船が来ると万引きが増えるので、その時期だけシャッターを閉める店もあるという。犯罪はどこにでもあるのだが、船が来た時だけというのも、島ならではの悩みというか、出来事というか、悲しい現実である。
島内の移動はほぼ車。私の経験上、どこの空港でも市街地まで路線バスがある。多くは飛行機の到着に合わせて発車時刻を設定してあり、飛行機の到着が遅れればそれなりに発車時刻を調整する。初日、そんな感覚で飛行機を降りたがバスがない。案内書に尋ねたら、路線バスは1日4本で、次は2時間30分後とのこと。恐るべし。仕方なく、タクシーを利用したが市街地まで1000円ちょっと、これならタクシーか。ちなみに2日間で、バスの停留所は何か所か見たが、路線バスそのものは一度も見なかった。
スーパーやドラッグストアは島内に点在しており、車があれば不自由はなさそうだ。ここにもドンキホーテがあるのはちょっとがっかりだが、それは地元の方には申し訳ない。ドンキホーテと新宿歌舞伎町のイメージが重なる私の勝手な言い分だ。
宮古島は、離島のイメージだが、人口は5万5000人、自治体としてそれなりの大きさだ。そこにシーズンともなれば数千人の観光客が来る。別荘を持つ人の人口も数千人くらいというから、それなりのスケールのコミュニティはある。居住者の中には、観光で来て、自然や文化に触れて、移住した人も少なくないのだそうだ。今回、私を講師に推薦してくれた方も徳島の出身で、社会人になってからダイビングで宮古島を訪れて、気に入って市の職員に応募、採用されて移住したという。
私が出会った島の人々、ホテルマン、居酒屋のおかみさん、市の職員、売店の女性などは、皆、実におおらか。言葉のはしはしにそれを感じた。それもこの島の魅力に違いない。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )