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2018 年 6 月 22 日

沖縄10泊11日の旅 その2 - はしか流行?

 沖縄でのホテルは、国際大通りの入り口にある。那覇市の中心部、県庁前からのびる国際大通りは一番の観光スポットだ。連日多くの人が歩いているが、夕方から夜にかけては修学旅行の中学生、高校生多く歩いている。お土産を買ったり、写真を撮ったりするのは微笑ましい。

 その沖縄で、はしかが流行っていると、4月あたりからテレビで放映していた。5月末時点で患者数は99人だそうだ。はしかという病気は、すでに日本では見られなくなった病気で、ここ20~30年国内では患者がいなかったという。今回の感染源は台湾からの観光客だというが、しばらくなかった患者が出たのだからそれは異常なことだろう。その結果、沖縄では修学旅行のキャンセルが相次いでいるらしく、それも現地のテレビで話題になっていた。

 でも、待ってほしい。沖縄県の人口は、ざっと145万人である。観光立県なので、観光客は毎日3~5万人は滞在しているらしい。さらに、アメリカ軍関係者は住民登録をしていない。これが十数万人いるらしい。つまり、沖縄に住んでいる人は、概ね160万人もいるのだ。患者はその中の99人、しかも何人かは台湾からの観光客である。
 99人の患者が出たことを良いとは言わないし、気にするなとも言わないが、これが果たして流行といえるのか。マスコミは流行とか流行の兆しとかいうが、これが世論をミスリードする。重大な事象を意思決定する際の、決定的な因子となり得るのか。この数字をもって流行といえるのだろうか、冷静に考え言葉を選んで報道すべきだ。事実、沖縄に11日間いて、マスクをしている人が多いかといえば、まったくそのようなことはなく、ほとんど見ないといってもいい。沖縄の人にその話をしても、全く気になっていない様子の反応が多かった。
 
 修学旅行を取り止めた学校も学校だ。感覚的に判断する一部の保護者のクレームがあって、そのことに屈したのであろうが、これが怖くて沖縄の修学旅行を止めるのであれば、そもそも沖縄を修学旅行先に選んだ教育者としての信念はいかばかりか。
 修学旅行先に沖縄を選んだのは、人生の多感な一時期に大切な体験をさせること、近代日本の歴史を学ばせること、そのためではなかったのか。このことで沖縄に訪問することがなくなった生徒たちこそ、真の犠牲者と呼ぶべきだろう。
 わずかなリスクや矛盾を受け入れることができず、本来あるべき姿を見失う、この豊かな国の悲しい側面である。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )