TOP 1つ戻る

ブログ

2019 年 5 月 10 日

10連休について思うこと ー 日本も私もまだまだです

 平成から令和に変わるタイミングで、土曜日、日曜日、祝日とその間の休日、振替休日で、今年のゴールデンウィークは多くの企業で10連休となった。例によって、マスコミが煽ったので、そのことが特にテレビでよく取り上げられた。
 海外旅行に行く人は過去最高だとか、新幹線や飛行機の予約数が過去最高だとか、華々しい話題もあれば、人で不足で休めない人が多いとか、管理職がフィールドに出て人で不足を補ったとか、休みすら取れない人の不満といったニュースが多かったが、街頭インタビューなどでは、何もすることがなくて困ったといった声もあった。

 私はかつてハワイに行ったことがある。その当時はハワイの観光客の日本人比率は30%くらいで、多くはアメリカ本土から来る。たまたま話をしたアメリカ在住の日本人は4週間滞在すると言っていた。その4週間のために1年間一生懸命に働いたと。私はその時4泊だった。
 娘がこの10連休を利用してバリに行った。バリは日本人観光客も多いのだが、年間を通して一番多いのはオーストラリア人だそうで、平均滞在期間は2週間だという。娘は3泊だった。
 連休の一部を旅行に充てて、それでよしとする日本人が多分多いのだろう。日本の休みの感覚はまだまだだ。

 一方でやることがなくて困っているという人もいたが、何かはしたのだろう。テレビでは「暇だからテレビを見た」「暇だから友達に会った」「ボーッと過ごしていた」といったインタビューもあった。謙遜もあるのだろうが“暇だから”という感覚は時間の浪費である。時間の浪費は生命の浪費だ。テレビを見るなら、この時間を最も有意義に使うのはテレビ視聴だと、そう自覚すべきである。この時間を普段会えない友人に会うことに使える、そのことに喜びと誇りを持つべきだ。
 そもそも10連休で騒ぐことがこの国の実態を表している。本当にやりたいこと、行きたいところがあれば、連休に合わせずとも、正々堂々と会社を口説いて休みをとればいい。それができないなら、後は自分の夢と今の職場を天秤にかける。人生は一回しかないのだから、一生をかけてやりたいことをやる。仕事もやりたいことの一つ、それを自分が納得するしかあるまい。休めないとか、休めないからしたいことができない、と不満をもちながら時間を過ごしていくことのほうが無駄だ。
 暇だからという感覚がこれまた、まだまだだ。

 インタビューでは「収入が減って困った」という声もあったが、本当に困った生活をしているなら、やることがないなら何か探してアルバイトでもすればいい。世間は人で不足らしいので何かあるだろう。困ったと言いながら、実はそれほど困っていないのではないか。お金がないと言って、実は自分が安心するのは世の常か。

 この世に人間として生まれたのだから、せっかく与えられた10連休。普段と少しだけ違った何かがこの機会にできればそれでいいのではと、平凡な私はそう思いながら昨今の仕事のこと、制作すべき教材の事、残りの人生を考えた。かえってストレスを溜めてしまい、晩酌で少し多めにお酒も飲んだ。連休の最後にヘルペスを発症してしまった私も、人生まだまだだ。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )