2019 年 10 月 12 日
車へのあこがれ その4 ー がっかりなスカイライン
新型スカイラインが発売された。
私の世代は車への憧れが強い。また、私は特にそうなのかも知れない。とにかく子どもの頃から車にあこがれた。乗りたいと思い、持ちたいと思いながら大人になった。そんな中で一番憧れた車はというと、小学生の頃からスカイラインである。スカイラインは元々プリンス自動車の車で、同社はプリンス・スカイラインとプリンス・グロリアが代表車種だった。プリンス自動車は日産に吸収合併されて現在に至るのだが、グロリアは日産セドリックと同じ車台の車になり、セド・グロなどと呼ばれて日産の最高級車だった。が、13年前に廃止されてフーガになった。
スカイラインは、かつてはレースにも出て量産車では抜群の好成績を残した。当時のトヨタも追いつかなかったという。日産と合併されてからは、ハコスカが当時絶大な人気を得、だれもが憧れた2000GTなど、歴代には名車が多い。私が大学のころから社会に出る頃は、ケンとメリーのスカイライン、ポールニューマンのスカイラインなどと呼ばれた車種が出て、国内メーカーどこにも見当たらない本当にカッコ良い車であった。いつかはこんな車に乗りたい、こんな車で女性とドライブできたらどんなに幸せかと憧れたものだ。
そのイメージを持つと、今回のスカイライン、テレビコマーシャルで強調されていたのは、最先端の自動運転技術が搭載されたことである。高速道路なら両手を離していても、追い越しを含めてほぼ自動で運転できるという。車好き運転好きの私にはあまり魅力を感じない。余計なシステムといってもよい。
また、デザインががっかりだ。全体的には前のモデルと同じイメージで、どこがモデルチェンジ?という印象。今回のスカイラインはフロントグリルに逆U字型というか逆V字型というかのデザインが施されている。このデザインは最近の日産の統一イメージといえばそれまでだが、マツダのデザインの統一感に比べると今ひとつ垢抜けない。しかも、日産は軽自動車にもコンパクトカーのマーチやノートにもファミリー向けのセレナにも商用車のキャラバンにもこのデザインを採用している。個人的には、このデザインがしっくりくるのは、キャラバンとセレナだと思う。軽やマーチと同じデザインがスカイラインにされている、これはどうも許せない。スカイラインはあくまでもスカイラインの独自のデザイン、特別な車であってほしいのだ。
子どもの頃から、学生時代に、社会に出てからも、あれほど憧れたスカイラインが、日産の普通の車となってしまった。私はこの先車を買うことはないと思うが、最高グレードは600万円を優に超える高級車なのだ、余程の走りの良さ、余程のデザイン性がほしい。前のモデルはフーガのデザインを踏襲して、いかにも走りそうなワイルドな印象もあった。好きか嫌いかは別として、上級車との統一イメージなのでそれなりに許せた。
まあ、仮に買うにしても600万円を優に超える価格では、ベンツかレクサスかと勝手に想像している昨今である。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )