2020 年 4 月 13 日
新型コロナウィルス騒動に思う その3 ― 可能性ゼロの危うさ
このブログでも新型ウィルスのことを2回書いたが、4月になって法による緊急事態宣言が出され、社会は異様になってきた。東京都だけでも感染者が2000人を超え、全国では7000人を超えている。医療の負担を減らすため、ウィルス検査も制限しているという内部情報も漏れ始めたようで、実は感染者の実数は相当に多いのではないかと皆が思っている。人類未経験のこと故、学者もよく分かっていないのか、報道から出る学者のコメントも、私の印象では当初よりも感染力が強く、重症化率も高いようだ。不気味である。いずれにしても、対策はしっかりすべきだ。冷静に受け止めて。
このブログはSNSにあげていないので本音を書くが、それでも季節性インフルエンザが、日本だけで毎年6000人もの死者を出していることを思えば、マスコミももっと冷静に報道できないものかと思えて仕方がない。だから皮肉を込めてブログのタイトルに「騒動」を入れた。
この前もあるニュースで、普通の会話でも感染する可能性があると、テレビのキャスターが不安を煽るような言い分で伝えていた。あらゆる事象において、可能性は基本的にはゼロにはならない。当たり前のことなのに、あたかも大きな危険だと言い出すと、誰ともしゃべるなということになる。それでは人間は人間たり得ない。
ゼロが正しいと言えばそれは極論でしかない。ゼロであるべきとするとストレスがかかり、他のところでマイナスを生じ無理がかかる。電車内でしゃべるな、レストランで会話するな、などという意識が蔓延すると、それは暮らしにくい社会になるだけだ。現実に今の東京は、電車の中で会話をするだけで冷たい視線が飛んでくる。そんな印象すらある。
密集、密閉、密接、3つの密さえなければ、可能性はゼロではないけれど、まあ大丈夫だろう、という曖昧さを許容できなければ社会は成り立たない。要は可能性を冷静に受け止めて判断することだ。ウィルスの感染の多くを占めるのは飛沫だという。空気感染も可能性としてはゼロではないが、3つの密さえなえれば相当に低いはずだ。3密を避け、手洗い、うがいを徹底するしかあるまい。
手洗い、うがいなどは当然だが、その勧奨では当たり前すぎてニュースにならないということだろうか。げすな話だが私の感覚。JRの在来線の駅の男性トイレで用を足して、手を洗わずに出て行く人は半数くらいいる。最近はウィルスのこともあり、多くの人が手を洗うようになったようだが。トイレから出るときに手を洗わない、私には信じられない行為だ。新幹線の駅のトイレだと30%くらい。空港だと10%くらいか。
とにかく3蜜を避け、手洗い、うがいの徹底だ。マスクの効果は限定的だ。
マスクについては、WHOが見解を更新した。NHKによると、以下のとおりだ。
WHOは新型コロナウイルスに関わるマスクの使用について、今年1月に作成した指針を4月6日付けで一部更新し、公表しました。
それによりますと、健康な人が一般向けのマスクをつけても感染を予防できる根拠はないと改めて指摘しています。
その一方で、平均5日間から6日間とされるウイルスの潜伏期間中、みずからが感染していると気付いていない人が他の人にうつさないためにはマスクの使用が役に立つこともあるという見解を初めて明記しました。
そのうえで各国の政策決定者に対しては、一般の人にマスクの使用を勧める場合には、目的やどのような種類のマスクを使うべきかなどを具体的に示すよう求めています。
さらに「医療用マスクは医療従事者に行き渡らせなければならない」と強調し、一般の人が医療用マスクを使うのを控えるよう呼びかけるとともに、医療用マスクを使えば予防できるという誤った理解によって、手洗いや人との距離をとるなどの予防の措置がおろそかになりかねないと懸念を示しています。
一方で、これまでの指針では布製のマスクについては「いかなる状況下においても勧められない」としてきましたが、今回の指針では「予防の効果があるかはまだ評価ができていない」として、推奨することも反対することもできないと表現を修正しました。
代表
関根健夫( 昭和30年生 )