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2024 年 3 月 22 日

いい加減にしろ - マイナス金利

 いい加減にやめて欲しいことは世の中いろいろある。
 銀行金利もその一つだ。私は経済に詳しくはないが、17年も前、マイナス金利という政策があることに驚いた。当時は経済を活性化させるカンフル剤としてやむなく行った政策だと思っていた。単純に言えば、銀行は日銀に金を預けてもマイナス金利で目減りするから企業や一般の人に貸したほうが良いですよ。企業や一般人は預金しても利息が付かないから、預けるよりは使ったほうが良いですよ。というわけで企業の設備投資や一般市民の消費を促すことが目的だったはずだ。結果、市中に金がばらまかれることになった。当時の日銀総裁の名前から黒田バズーカなどと言われ、2~3年で終わると思っていた。

 異常、異次元の政策だから数年で終わると思っていた政策が、一向に景気が良くなった実感もないままに17年も行われていた。これも異常、異次元。マイナス金利をやらなかったらもっと悪くなっていたかもしれないということはさておき、その間に円は安くなり、経済は停滞し、欧米の株価は数倍、十数倍になっているのに、日本はやっとバブル期をわずかに越えたレベル。
 一体どうなっているのかと思っていたら、3月19日、日銀がマイナス金利政策を変更するとの報道があった。いい加減にしろと思っていたので、それはまあよかったと思うが、同時に当面利上げはしないとも言ったものだから、円はさらに安くなって、外国は日本に期待しない姿勢が鮮明化した。早速テレビの報道では住宅ローン金利が上がって困る人がいるとか、輸出産業が打撃を受けるとか、マイナスの情報ばかりを流している。円が上がり輸入がしやすくなれば、我が国の最大の課題であるエネルギー政策にはプラスに働くはずだ。

 古い話だと言われればそのとおりだが、私が不動産会社に勤務していた頃は住宅ローンの金利は、当時の住宅金融公庫で年率5%台、大手銀行で8%台、その審査に通らないお客にはローン専門会社を紹介して9~10%台の住宅ローンでマンションを売っていた。当時の公定歩合は5%台で、今とは比べものにならないくらい高かったが、銀行預金や貸付信託などの金利もそれ相応に付くので、不動産を買うお金があるなら銀行に預け、あえて住宅金融公庫の融資を受けた方がトクですよ、ということを勧めていた。
 不動産を買う人は住宅ローンに相当な金額を支払うことになるわけだが、それはいつかは終わる。それなりに給料も上がるし、不動産の価格も上がるので、まさにマイホームを持つことは、その後の人生の夢を広げることだったのだ。
 それが今では変動金利で1%、固定金利でも3~4%前後。負担が少ないので不動産を買いやすいのは確かにそのとおりだが、あまりに身近すぎて一面で夢を感じない。とにもかくにも、金を借りても、金を預けても利息がほとんど付かないのは異常だ。また、利息が付かないから使いたくもないのに金を使えというのもヘンな話だ。

 それなりの金利を負担して必要な金を必要なものに使う。それなりの金利を受け取って将来に備える。それなりの金利を設定してほしいものだ。為替レートもそれなりになるはずだ。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )