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2024 年 5 月 4 日

金チンが亡くなった ― 何とも重い今年のゴールデンウィーク

 先週、小学生時代からの友人、金チン(金子君)が亡くなった。前日の夜には普通に食事、家族団らんをして寝室に入っていったというが、深夜に一人で風呂に入ったようで、明け方に奥様が浴槽で眠るようにしている姿を発見したという。

 彼は小学生から中学生にかけて痩せており、あだ名はガイコツ。勉強はそれほどではなかったが、とにかくいい奴でクラスの人気者だった。高校から大学は私とは別だったが、高校ではアメリカンフットボール部に所属し、大学を出るころには筋骨たくましくなっていた。さらに歳を重ねる毎に体格が良くなり、30歳代のころは恰幅が良いという印象だったが、近年はもう少しダイエットしたほうが良いのではと周囲は心配。
 地元で歯科医を開業していたが、数年前に閉院。心臓、糖尿、白内障などの治療を受けていたという。

 彼とは卒業後も何度も会って食事をしていた。小学校時代のクラス会を定期的に行っていて毎回20名ほどの出席、小学校3年生からの歴代担任の先生もお呼びして毎回盛り上がっていたのである。還暦を機にクラス会はやめたが、今も地元に残る有志の会が年に数回。どの集まりでも金チンは中心にいた。

 彼の性格の良さに私は到底かなわない。奥様曰く、結婚されてから一度もケンカをしたことがなかった、いつも笑顔で笑いながら話すのでケンカにならないのだという。そういえば私も彼が怒った顔を見たことがない。会食中も人の話を良く聞く。話の流れでジョークを交えて発言するので皆が大爆笑。本当に良い奴だった。

 明け方に彼が風呂に入った状態でいたことを奥様が気づいて、救急車で病院に搬送したがすでに心肺停止の状態だったという。このような場合、遺体は検死のため港区の警察施設に搬送されるらしく、地元の池上警察署に戻ったのは昼12時過ぎ、さらに警察の検死担当者から説明を受け手続を経てから遺族に返されるわけだが、遺族はそのタイミングで業者を手配し搬送車で引き取りに行くことになる。さらに遺体をいつまで何処に預けるか、言い換えればご葬儀をいつ何処で行うか、奥様にしてみれば突然の出来事から数時間の内にこれらのことを決断し、現実に警察まで行かなければならない。お嬢さんが2人いるが、たまたま遠隔地に行っていて引き取り時刻には間に合わない。一人では心細いだろうからと友人女性と二人で付き添った。

 その後のことはご家族で決断され、結果的に通夜式は行わずに、5月3日に菩提寺でご葬儀。私と小学校時代の友人計5名で受付の手伝い。ここ数日で彼にこれまでの感謝を伝えることができたか、これまでの恩を返せたか、思いは儚い。
 母のことの手続もあり、何とも重いゴールデンウィークである。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )